ビジネスクラスに乗る決断をした自分に満足したゴキゲンな私は、大量の日本人団体客に続いて入国審査の列に並んだ。
並ぶ場所もないぐらいEU圏外の人間があふれていたフランクフルトの入国審査場で、ベビーカーを押していた日本人家族が優先レーンに導かれているのを見て、(私も連れてってー)と思いながらモノほしそうな視線を係員に送ってもらったけど黙殺。
ふふん。
でもいいのだ。
そんなに疲れてないから。
出発案内の画面を見ると、私のマドリッド行きのフライトはまだ出ていなかった。
(まだ時間があるしね。)と思ったけど、引っかかることがひとつ。
一本前のフライトが遅れていて、まだ出発していない。
嫌な予感がするのでゲートに行ってみたら、すごい人だかり。でも係員の姿はない。
ルフトハンザのサービスカウンターなる場所に行ってみたけど、ここにも誰もいない。
一本前のフライトのゲートに戻ると、スパンエアー職員が詰め寄る乗客の対応に大わらわ。
妊婦であることを強調したらなんとかこのフライトに乗せてもらえないかと思って、彼女と話したい人の列に並んでみたけど、待っている間に今回は珍しくスーツケースをチェックインしていることを思い出した。万が一私が乗れたとしてもスーツケースをこのフライトに乗せるのは無理



マドリッド到着後は毎日違うホテルに泊まるので、下手するとスーツケースを追いかけっこになって2日後の結婚式までに着替えが手に入らないかもしれない。
あきらめて本来のフライトに乗ることにした。
ルフトハンザの職員が通りかかったので、遅延の場合のクーポンとかもらえないのか聞いてみた。
「2時間以上の遅延ならもらえると思うけど、このフライトはうちじゃなくてスパンエアーのだから詳しいことはスパンエアーの職員に聞いてください。」と言われた。
一本前のフライトが出発し、出発案内の画面に自分のフライトの情報が出た。
ゲートに移動して座って待つことしばし。
けっこう人が集まって待っていたのだけれど、しばらくするとまたゲートが変わった。
再び移動。
乗客の質問攻めが恐ろしいのか、スパンエアーの職員の姿はどこにもない。
フライト用に持ってきていた文庫本も読み終わってしまった。
17:55発のはずのフライトは20時になっても出発ゲート以外の情報がない。
そしてスパンエアー職員は姿を見せない。
だんだん待っている乗客間の空気が不穏になってきた。
そこへやっと職員が3人登場。
詰め寄る乗客でカウンターは大混乱。
2時間以上遅れてておなかがすいたので、クーポンもらえないんかなあと思って近寄ってみた。
今まさに職員に質問している人が私が聞きたいことを聞いていて、盗み聞きした結果、今回の遅延はストが原因で、航空会社のせいではないのでクーポンは出ない、という返事だった。
その人の隣では、ルフトハンザ職員に質問をしていて「スパンエアーの職員に聞いてください」と言われて、「お前ら同じスターアライアンスグループやろう!何のためのスターアライアンスやねん!!」とキレていた。
すごすごと席に戻った。
ヒマなので隣のスペイン人のおばさんに話しかけてみた。
彼女いわく、フランスの管制塔がストで、フランス上空を飛べる飛行機の数が制限されたせいでフライトが遅れているらしい。
「でも、私の同僚はイベリアでチケットを買ってて、イベリアは40分しか遅れてないの。スパンエアーはいつもこうなのよ。何かあってもきちんと対応できたためしがない。」とおばさん。
夜の10時になってもフライトが出る気配がないので、ホテルに電話することにした。
この国際電話だって自腹。
Dはまだホテルについていなかったので、フライトが遅れていること、今の時点で何時に出るか不明なことを伝言した。
電話している間にカウンター付近でざわめきが起こったので見たら、それまでマドリッド行きになっていたゲート前の表示がヘルシンキ行きに変わっていた。
さらに数人がカウンターに詰め寄る。
「私だって今日朝の6時から働いてくたくたなんです!」と逆ギレする職員。
ドイツ人職員とスペイン乗客間での英語のやりとりはかなりオソロシイ状況になっている。
ついに職員が
「フライトには時間規制がありますから、もしかしたらこのフライトはキャンセルになるかもしれません。」なんて言ったもんだから、もう乗客は暴動一歩手前。
「そうなったら私はもうここで寝るわ。」と隣のおばさん。
今まで何回もスペインに行ってストに遭ったことなんてなかったのに妊婦でのフライトでこんな目に遭うなんて。
スペインで9月29日にゼネストがあることはチェックしていたけど、まさかフランス人に足元をすくわれるなんて。
うかつであった・・・
幸いフライトはキャンセルにならなかったのだけれど、17:55発のフライトがフランクフルトを出たのは22時半。
バラハスに着いてタクシーに乗ったときはもう夜中の1時だった。